ブティの前身である18世紀のブロデリー・ドゥ・マルセイユ。(ピクール・ドゥ・マルセイユとも呼ばれています)
ショーフォワール(ショーファー)は「温める」という意味の動詞に由来しています。ストーブで温めてから羽織ったり、膝に掛ける、お腹に乗せる、肌着を温める等、防寒・温熱タオルのように使用していたようで、生地もしっかりと重量感もあります。
フィールドの中央とスパンドレルには"アンティーチョーク"の蕾とバスケット柄の花壺が配されています。ベースは円弧状のコードで埋め尽くされ、様式化された果実や草花、石榴、チューリップなどが複雑に絡み合い、しばしば螺旋を描いて結ばれています。全ての図案が2㎜位の綿糸コードで表現されている中、時々見られる小さなダイヤのグリッドに注目。流麗なモチーフとともに作品の新鮮なアクセントとなっています。
この作品のように、①ほぼ静的なシメントリー構成、②非常に細かいヴェルミキュレ装飾。⓷完全フラットな仕上がり。は、18世紀ブティ/ブロデリー・ドゥ・マルセイユの典型的な特徴で、同年代のレースと同じく緻密で「引き」の美しさに溢れています。
今回出品するブティ/マルセイユの刺繍の中で一番細かいステッチワークの作品です。