聖セバスティアヌスの殉教 16世紀後期刺繍 

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Description

16世紀後期のイタリア、祭服のオーフレイ(装飾帯)の断片。とても古い刺繍です。芸術的宗教的価値が高い豪華な帯状の布地が、時を経て切り分けられ、断片として残ったものです。この種のオーフレイには、聖人や聖書の場面、視覚的な教義が描かれていることが多く「動く説教」のような役割を持ちます。


額に入った方は、人物が縛られ弓矢を射る姿が描かれていることから、「聖セバスティアヌスの殉教」の場面である可能性が極めて高いです。遠近感や躍動感ある人物表現には過渡期のマニエリズムが感じられます。もうひとつは力強く渦巻く植物文様で永遠の生命をあらわしたもの。アカンサスや蔓草をまるで絵画のような刺繍で表現しています。

糸が抜けてしまって粗目の麻織物がのぞいてはいますが本来の絹糸の美しさや迫力あるステッチに圧倒されます。このフロス糸の輝きは機械化される前の「手仕事の極致」であったといえます。

Detail

Date / Era:
16世紀後期、イタリア
Object type:
オーフレイ
Medium:
刺繍
Materials:
基布:濃いベージュの麻布 / 裏布:ブルー系麻布 / 絹糸
Size:
幅68cm(生地幅、両サイド耳)×25cm
condition:
糸抜けが多い。