イスラム美術の影響を受けた、流麗で均衡のとれたアラベスクのデザイン。中央に縦一直線に並ぶ植物が、左右対称にカールして絡み合い、その先に広がるロゼットやハタイ様式の草花のひとつひとつが、洗練された美しさを放っています。上質な糸による繊細かつ薄く滑らかな仕上がりも、格別です。
かつて家具を飾っていたハウスリネンの一部と思われ、片側の縁取りがないことから、ヴァンダイク型の裾レースや、インサーションレースが添えられていた可能性があります。
プント・イン・アリアは、カットワークから発展したニードルレースの初期スタイルのひとつ。職人たちは織物に頼らず土台を用いることで有機的な曲線を生み出す自由を手に入れ、針1本と糸に命を吹き込みました。
縦長の額装でそのままお飾りいただくのも素敵ですが、東方に遡るパターンですので、掛軸への仕立てもおすすめです。
参考:2023年発刊のレース本『Threads of Power』の表紙を飾るのは、全く同一ステッチによるプント・イン・アリアです。